読書感想文
株を始めたい人に
・・・なんて月並み(笑)
でもですねー、この本は読みやすいんですよねー。株本に関わらずタッチも爽やか。
ワタシも株を始めるときにこれを読んで、ファンダメンタル投資への礎を築いたと言っても過言ではありません。
株の醍醐味とはPERとROEとか株式指標ありきの投資、というよりも新しいサービス・商品を提供している会社に誰よりも早く投資する成長株投資にあると考えます。このことについては、自分の現状の投資スタンスと大きくかけ離れてるという点で反省しなければならないのですが、消費者の感覚を投資に生かしてプロに勝てるという視点は我々個人投資家にとって勇気を与えてくれます。
個人投資家の本としてはこれ。バリュー投資を世に広めた角山さんの本もいいのですが、知識として知っておいたほうがいい、PER,PBRといった株式指標が詳細かつ平易に紹介されているこの本を。
良い本は他にもいっぱいあるのですが、最初に読む本を紹介するとしたらまず2冊ぐらいが妥当かと。
で、その本を探したのですが、バイブルと言っておきながらピーターリンチの本がないことに気が付き・・・とりあえずアマゾンで注文してしまいました。大事にしなきゃあなあ・・・
で、このあとはやっぱりコレですかね!
皆さんだったら、株を始めたい人にどんな本を紹介しますか?
サラリーマン投資家 ブログランキングへ
「バリュー株投資は『勝者のゲーム』!」 を読んだ
バリュー株投資は「勝者のゲーム」! をナナメ読みしました。著書は言わずと知れた井手正介氏。個人ブログでの評判はあまり聞いたことがない本ですが、何気なく手に取った割にはとても勉強になる本でした。
例えはROEの考え方。
株式が疑似債権であるとしたらROEはその疑似クーポンレート(利回り)にあたるもので、このROEこそ企業収益の源泉になるものです。しかし、ROEが経営上のオペレーションを遂行した結果としての指標である一方で、投資家サイドの見方としては高ROE銘柄が必ずしも高いリターンを生み出すことないと言われます。ROEという指標の注意点としては(1)負債・レバレッジが高く、財務状態が悪い銘柄も高ROEとなりうること、(2)純利益という変動が大きい数値を算出根拠するために年ごとに数値がブレやすいこと、といったことが挙げられます。
本書においては高ROE銘柄を推奨している訳ではなく、過去10年間において概ね市場平均以上のROEを継続的に上げていることを優先します。このことから対象銘柄も利益がブレやすい中小型株ではなく日経225銘柄の成熟企業としています。ROEに着目した考え方はバフェットの考え方に共通する部分ですが、本書においてはいわゆる「消費者独占企業」「将来的なファンダメンタル」といった個別銘柄に対する詳細な企業分析を行うことなく、PERや株主資本比率といった一般的な基準を機械的に運用することで株式の平均期待利回りを上げることができ、タイミング投資を伴うことなく中長期的にインデックスに勝てると主張しています。
この主張は筆者が実際に検証した結果であり、そのPFの組み換えなども詳細に記載されており信憑性の高い内容になっています。
また、ROEが安定している米国株はインデックス投資に向いているが、我が国においてはROEがブレやすいのでインデックス投資が不向きであるといった他書では見られない観点からのインデックス投資批判も展開されています。
MPT、ベータといった金融工学からグレアム、バフェットなどのバリュー投資家まで内容は盛りだくさんでかつ平易に書かれていることから個々の分野に入る前の入門編としても役立つかもしません。
バリュー投資が勝者のゲームであるという題名はやや大風呂敷を広げた印象もあり、筆者が示すスクリーニング要件を模倣する気持ちもありません。リーマンショックの後に書かれたやや古い本ではありますが、その考え方についてはとても役に立つものです。何度も繰り返して読むに値する良書だと感じました。
「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール」を読んだ
株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルールを読んだ。さっと目を通した感想を書きます。
まず、このテのお約束でいろいろな投資手法の批判から始まってまずはウンザリさせられます。バブル以降のチャートを持ち出して日本株は長期投資に向かないとかバフェットの投資は日本株では通用しないとか・・・
投資本全般に言えるのですが、自分のこれまで培ってきた投資手法の自負や本書の存在意義を主張したいのか分かりませんが、こんなことを書くのであれば筆者の投資手法にスペースを割いて欲しいと思うのはワタシだけでしょうかねえ?
また、アセットごとのリスクとリターンを考慮しないアセットアロケーションによる分散割合が有用であると勧めるなど首をかしげたくなります。
そしてチャートを批判しておきながら底値のサインをチャートに求める記載があるなどよく分かりません。
さらに銘柄選びのところでは一般的な表現に終始し、チェックポイントとしては理解できますが、それがパフォーマンスにどれだけ寄与するのか、と言ったことも不明確でこれを実践したところで成功するかは疑問のように読めました。
要はこの本は右肩上がりのトレンドにのって一定の価格を割ったら売却することを言いたいようです。10年ぐらいまえに株の師匠が株を始めたばかりのワタシに口酸っぱく言っていたこととおんなじですね(笑)
まあところどころ色々と気になるところはあるのですが、リスク管理のあり方は考えさせるものがありました。バリュー的に割安であるからといつか買値に戻ることを信じてホールドし続けたり、予想PER15倍になったら売り、と言ったいつ利確するかわからない基準であっては長い下落相場に苦しむことも考えられます。
自分にとっては(以前から問題意識を持っていたように)投資ルールを見直しているところです。投資ルールの重要性を再認識させられると同時に、株式運用記録の継続など地道な行動の必要性を強く感じました。「リスク管理」とは簡単に使える便利な言葉ですが、リスク管理をどのように実践していくかを考えさせられます。
とりあえずはこの本を参考に資産運用リスク管理システムでも作ってみようかと刺激になりました(笑)