先日の記事に引き続き四半期決算進捗率一覧表に関する説明となります。

▽四半期決算進捗率一覧表の見方については以下をご覧ください。
http://uekenkabu.doorblog.jp/archives/38671196.html

今日は四半期決算進捗率一覧表に関する異常値について述べます。

CD銘柄市場業種株価予想PER今期進捗前期進捗前々期進捗
9029ヒガシ21東2部陸運業48414.05119.747.2562.58
4556カイノスJQ医薬品70210.8565.6461.8556.12
8283Paltac東1部卸売業2,60616.4062.3935.2740.82

△四半期決算進捗率一覧表のサンプルはこちら


進捗率の算定式は以下のとおりとてもシンプルな計算式となっております。

1Q進捗率=1Qの営業利益÷2Q営業利益見通し
2Q進捗率=2Qの営業利益÷4Q通期営業利益見通し

この計算方式であるがために進捗率が異常値を示し、実態とかい離する可能性があります。今日はこのことについてまとめておこうと思います

1.大幅減益に伴う進捗率の異常値

 例えば下図は某銘柄の過去の業績推移と中間期見通しの数値を掲載したものです。

20150803_IJO001

この会社の1Q営業利益進捗率は、会社見通しに比べて300%超となっており、進捗率だけみれば業績好調とも受けて取れます。ただ、実態としては上図のとおり、今期の見通しは300百万円と大幅減益予想であり、この大幅減益予想に対する進捗率が300%超という事実をどうとらえるかがポイントになります。

2.会社見通しが赤字の場合の異常値

会社によっては、上期の営業利益が赤字で下期偏重型の業績を上げている銘柄も散見されます。このとき四半期決算進捗率一覧表は異常値を示す場合があります。
例えば1Q営業利益が300百万円の赤字で、中間期見通しの営業利益が150百万円の赤字だった場合、上記の計算式に当てはまると以下のとおりとなります。

1Q進捗率=△300百万円÷△150百万円=200%

中間期見通しに対して1Q営業利益が大幅赤字であるにもかかわらず進捗率は200%と算出されてしまいます。そもそも進捗率投資において業績の下期偏重銘柄を投資対象とすること自体無理があるのですが、スクリーニングの算定式を作成する際に条件を厳しくし過ぎると、お宝銘柄を取り逃す可能性も高くなります。基本的にはスクリーニングは緩く、目で見て確認というのが骨子となります。

3.大事なことは進捗率だけで判断しないこと

 四半期決算進捗率一覧表に記載されている数値は機械的なスクリーニングにより算出されたもので、できるだけ例外的な処理を除外しています。よって、異常値を示す場合があるので、四半期決算進捗率一覧表に記載された数値をそのまま信頼することなく、決算短信などのデータを再確認することとしてください。
 また、四半期決算進捗率一覧表はワタシのひたすらデータを目で見て、手入力で作成されたものです。このことからも数値については各自確認をお願いします。

4.最後に

進捗率投資は中間期または通期見通しの上方修正による株価急騰を期待した投資手法であると考えますが、上方修正が株価急騰につながらない場合も当然考えられます。進捗率の高さだけに着目するのではなく、ファンダメンタルや業務内容に着目するなど多角的な視点で投資判断を下すことが大切であることは言うまでもありません。

四半期決算進捗率一覧表の公開により、個人投資家が株で成功するための銘柄選定方法として貴重なツールになることを願ってやみません。

※ 本ブログ中に掲載した具体的な銘柄について、当該銘柄への投資を推奨するものではありません。また、株式投資にあたっては自己責任が原則です。本記事に基づく投資によって被った損失についても本ブログはいかなる責任も負いかねます。

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