株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルールを読んだ。さっと目を通した感想を書きます。

まず、このテのお約束でいろいろな投資手法の批判から始まってまずはウンザリさせられます。バブル以降のチャートを持ち出して日本株は長期投資に向かないとかバフェットの投資は日本株では通用しないとか・・・
投資本全般に言えるのですが、自分のこれまで培ってきた投資手法の自負や本書の存在意義を主張したいのか分かりませんが、こんなことを書くのであれば筆者の投資手法にスペースを割いて欲しいと思うのはワタシだけでしょうかねえ?

また、アセットごとのリスクとリターンを考慮しないアセットアロケーションによる分散割合が有用であると勧めるなど首をかしげたくなります。

そしてチャートを批判しておきながら底値のサインをチャートに求める記載があるなどよく分かりません。

さらに銘柄選びのところでは一般的な表現に終始し、チェックポイントとしては理解できますが、それがパフォーマンスにどれだけ寄与するのか、と言ったことも不明確でこれを実践したところで成功するかは疑問のように読めました。

要はこの本は右肩上がりのトレンドにのって一定の価格を割ったら売却することを言いたいようです。10年ぐらいまえに株の師匠が株を始めたばかりのワタシに口酸っぱく言っていたこととおんなじですね(笑)

まあところどころ色々と気になるところはあるのですが、リスク管理のあり方は考えさせるものがありました。バリュー的に割安であるからといつか買値に戻ることを信じてホールドし続けたり、予想PER15倍になったら売り、と言ったいつ利確するかわからない基準であっては長い下落相場に苦しむことも考えられます。

自分にとっては(以前から問題意識を持っていたように)投資ルールを見直しているところです。投資ルールの重要性を再認識させられると同時に、株式運用記録の継続など地道な行動の必要性を強く感じました。「リスク管理」とは簡単に使える便利な言葉ですが、リスク管理をどのように実践していくかを考えさせられます。

とりあえずはこの本を参考に資産運用リスク管理システムでも作ってみようかと刺激になりました(笑)